真空ポンプ式
排水ドレンアップシステム
真空ポンプ式排水ドレンアップシステムとは
1.船舶向けの真空ポンプで培った技術を
冷ケース排水システムに応用
真空技術を活用した配管は、飛行機や新幹線などの輸送機関のトイレで導入されています。原田産業では長年に渡り、衛生面や省スペース、環境性能に優れた船舶向け真空トイレソリューション事業を展開してきました。
勾配配管が不要で、限られたスペースでも排水システムを配置できるこの技術を、スーパーマーケットなどの冷蔵/冷凍ショーケース用に活用したのが、真空ポンプ式ドレンアップシステムです。
2.真空の力を利用することで、
ドレン排出配管を天井裏に施工
スーパーマーケットの食材の鮮度を保つ冷蔵/冷凍ショーケースからは、霜取りのために排水ドレンが発生します。従来の排水システムは床下に設置されていましたが、工事やメンテナンスが高コストでレイアウト変更が難しいといった課題がありました。
そこで、当社では、真空の力を利用し、冷ケースのドレン排出配管を天井裏に施工する排水システムを開発しました。
3.天井内の勾配や配管を気にせず、
上下左右、自由に配管可能
真空ポンプ式排水ドレンアップシステムでは、排水ドレンをバッファタンクに貯蔵し、一定量に達するとバルブが開いて機械室に設置した真空ポンプユニットで吸い取ります。バッファタンクから真空ポンプユニットまでの配管には、ゴムホースのような耐圧ホースを使用。天井にある梁や空調ダクトなどの障害物を上下左右に回避し、横引配管総長200m、高さ6mまでの配管が可能です。増設や撤去が簡単で、冷ケースのレイアウトを自由に変更できます。
4.機器構成:真空発生装置
渦巻きポンプからイジェクターへ回収した排水ドレンを循環させ、ノズルから高速で排水ドレンを噴出させると真空が発生します。
入力 | 200VAC(3相)50/60Hz |
---|---|
消費電力 | 1000W |
寸法 | 480(L)x 460(W)x 710mm(H) |
騒音 | 65-68dBA(距離2mにて) |
OPTION | 予備ポンプ搭載 |
5.バッファタンク用コントロールBOX
冷蔵/冷凍ショーケースの近傍に配置するドレン水の1次受けタンクの制御BOX
寸法 | 130mm(L)× 100mm(W) × 90mm(H) |
---|---|
入力 | 100VAC(単相) 50/60Hz |
外部出力 | 無 |
6.バッファタンク
冷蔵/冷凍ショーケースの近傍に配置するドレン水の1次受けタンク
寸法 | バッファタンク 300mm(L)× 200mm(W) × 80mm(H) |
---|
7.配管
材質 | 鋼管、塩ビ管、耐圧ホース可 |
---|---|
配管径 |
バッファタンク~立上 13Aもしくは内径15mm 立上管 13Aもしくは内径15mm 天井横引主管 40A 天井横引枝管 13Aもしくは内径15mm |
配管長制限 | 立上り管 6m 天井横引主管 総長200mまで(1系統では150m) 天井横引枝管 最大5m/本 25本まで |
---|---|
吸水量 | 600ℓ/h *立上管で1本で120ℓ/h吸水で5本同時まで |
システムの配管設計指針・
施工時の注意事項
配管の設計指針
- 配管は、天井への立上、天井内の水平配管は、共に鋼管、塩ビ管、耐圧ホースのいずれでも結構です。
天井への立上管 ― 鋼管の場合:15A、塩ビ管の場合:13A、耐圧ホースの場合:内径15mmΦをご用意ください。
天井内の横引管 ― 鋼管の場合:40A、塩ビ管の場合:40A、耐圧ホースの場合:内径40mmΦをご用意ください。 - 配管には断熱処理を施してください。
- 天井への立上配管は6mまでとしてください。
- 天井内の水平配管は障害物を避けるために、上下左右、自由に配管できます。詳細についてはご相談ください。
- バッファタンクからの配管は、天井内で合流させることが可能です。接続部には指定したY字継手をご利用ください。
Y字継手の手前には、保守点検用のためハンドバルブを設置し、天井には点検口をご用意ください。詳細については別途ご相談ください。 - 主配管からドレン発生源の配置に応じて枝管で分岐してドレン発生源近傍に配置するバッファタンクに接続します。
- 立上配管の高さは6ⅿまで、横引配管の総長は200m以内としてください。
- 立上配管1本に対してバッファタンクは1台となります。
- 1つのバッファタンクに、複数のドレン発生源を接続できます。接続数は、上限4か所まででお願いします。
- ドレン発生源からバッファタンクまでの配管は勾配配管でお願いします。
真空ポンプの設置/設計指針について
- 真空は、渦巻きポンプで送出されたドレンをイジェクターから高速で分種させることで生じさせています。
- 渦巻きポンプとイジェクターの真空発生ユニットは、機械室等に設置してください。
- ポンプの電源として、200V 50/60Hz 4Aを準備ください。
- 真空発生ユニットは、150kgです。十分に耐えうる基礎に設置してください。
- 真空発生ユニットの周囲には、50cmほどの保守スペースを確保してください。
- 渦巻きポンプは、1000ℓ/hのドレン水を回収する性能を有します。